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日経225先物の研究所

あなたは正面から「お金」と向き合ったことがありますか? 金融や投資、経済、国家や企業などと聞くと、難しそう、自分には関係なさそうと思っていませんか?

あなたは正面から「お金」と向き合ったことがありますか? 金融や投資、経済、国家や企業などと聞くと、難しそう、自分には関係なさそうと思って いませんか? 確かに、日本の借金(いわゆる国債残高)について、テレビや新聞で報道されても、専門 的な解説が多く、何を言っているのかよくわからないものです。

けれど、どんなに難しそうに見えても、経済・金融の主役は、私たちひとり一人の活動で す。

私たちの行動の集大成が、経済という言葉で表現されているだけのことです。

お金や経済、国家の話は、私たちふつうの人間の足し算にすぎません。
この本を読んだあなたには、金融や経済について自分なりの地図を持ち、お金を上手に使 って生きていただきたいと思っています。

きちんとした地図を持ってさえいれば、過大広告や巧妙な宣伝、営業マンが語るおいしそ うな話に乗る危険性も減るはずです。

おいしい話を聞いても、その果実が何であるか、どこにあるのか、リスクは何なのか、そ もそも本当なのか……?と、考えることができるはずです。

「お金」にまつまる事件やニュースは絶えません。
1985年、プラザ合意後におきた急激な円高進行から、地価の高騰、バブルの崩壊、相 次ぐ金融機関による不祥事や破綻、不良債権、年金不安や赤字国債増発、ITバブル、ネッ ト取引の拡大、企業の粉飾決算、M&Aに絡むインサイダー取引など……次々と、新たな話 題が世間を騒がせています。

もちろん日常の生活だって、経済のグローバル化と、それとともに動く膨大なお金の流れに大きく影響を受けているのです。

本書は、どんどん変動していく経済や社会システムのなかで、生きるための知恵となるよ うに、また、成熟国に生きているうえで避けては通れない知識をまとめたものです。

学校で教える経済論や金融論で、現実の経済・金融活動を完全に理解することはできません。
これは、私がマーケットという世界から学んだものです。

これまで日本では、お金について真正面から語る風土がありませんでした。
お金という言葉を前面に出して語ろうとすると、品がなく、はしたないことのように映っていたのです。

新撰組や、幕末の獅子といわれた人間たちが閥歩したのは、たかだか100年ちょっと前 のことです。

幕藩体制を葬って、髭と袴を脱ぎ捨て、明治以降、突き進んで来た西洋近代化の果てに、第二次世界大戦の敗戦を迎え、疲弊と大混乱。
それを振り切るかのように、日本はひたすら経済復興に努め、気がつけば一世界一のお金持ち」といわれる国になりました。
今、再び迎えている社会構造の変化に目を伏せたまま、金融システムの形を中途半端にアメリカやイギリスを真似ています。

日本は、工業国としてどの国よりも成熟し、他のどの先進国よりも急激に少子化が進んで います。

どこか閉塞した状態にあります。

成熟した経済が、単純な物質社会から脱皮して、サービス化せざるをえないとしたら、日 本は「虚業」で生き延びる運命を背負っています。

「虚業」や「投機」と呼ばれるものについて、いつまでも知らないふりを決め込んだままで 生き抜いていくのは困難です。

現状の日本で生活するかぎり私たちと無縁ではないのです。

流れてくる情報を正しく判断し、お金と賢明に付き合っていく知恵を、ぜひとも身につけ ていただきたいと思います。

お金にまつわる世の中のしくみを知って、自分なりの地図をつくるつもりで、この本を読 んでみてください。
お金の性質をおさえよう 麟蠍モノの交換から「経済」は生まれた鑑嚇 お金は人類史上最大の発明です。

では、お金ってなんでしょう? 私たちがサルに近かったころ、敵から身を守って眠るためには、安全な木の上や穴を見つ けなければなりませんでした。
ほとんどの時間は食物を探し、うまく見つかったらその場で 食べ、飢えと外敵との戦いのなか、命をつないでいました。
このような時代にはお金なんてまったく無用の長物です。

100円玉を口に入れても、飢 えを充たしてはくれません。
しかし人類は、その場限りに飢えをしのいでいくワールドから、火を使い、食べ物を貯蔵 するということを覚えました。
さらに、自ら食べるものを栽培し、つくり出すようになり、 サルとは大きく進路をわけていくことになったのです。

食物を安定的に入手できるようになると、寿命も延びます。

寿命が延びれば、知恵が蓄積され、伝達手段も進歩します。

そして、自分たちですべてを完結させるよりも、必要なモノをお互いに交換した方が、よ り合理的に生きられることに気づくのです。

モノの交換から、「経済」が成立したのです。

バナナしか持っていない人はバナナしか食べることはできませんが、バナナをリンゴと交 換することで、バナナもリンゴも食べることができるようになります。

自分が手に入れたモ ノで、自分が持っていないモノを手に入れるなら、より豊かな生活をおくれるのです。

モノとモノを交換するのは、あくまでもその場限りのことです。

交換したバナナをーか月 後に食べようとしても、腐って食べられなくなってしまいます。

しかし、そこに<時間的な要素>が加わると、いっそう合理的な交換が成り立ちます。

そこでお金が登場するのです。

お金という形で保有しておけば、時間的な自由だけでなく、 選択の幅も広がります。

これが「バナナ引換券」であれば、バナナでなくオレンジが必要になっても、バナナしか 手に入りません。
しかし、お金という共通に使える交換手段にしておけば、そのお金を使って、必要なものを買えばよいのです。

リンゴを売って手に入れたお金があれば、バナナがほしいときに、いつでも交換できます。

リンゴは腐って価値がなくなってしまいますが、お金にしておけば、将来何かに交換する 能力を温存させておくことができます。

これがお金の、<時間的自由>と<選択の幅>という要素です。

さらにお金は、バナナ一本:100円、リンゴ一個:50円、オレンジ一個1130円のように 「値段」をつけることで、交換の物差しとなり、交換がもっとスムーズになります。

お金という物差しで付けられる値段は、重さのようにいつも一定ではありません。
たくさ んあってすぐ手に入るものは値段が安く、皆がほしいけれどなか打か手に入らないものは値 段が高くなります。

お金を道具にして決まる値段とは、人間の心理が入った相対的なものです。

人間のあらゆ る活動を値段に置き換え、生活を支えてくれるのがお金なのです。

人類が最初にお金として使っていたのは、貝殻・宝石・珍しい産物などでした。
これらは、なかなか手に入らない貴重品だったので、価値が認められ、交換の道具として使われました。
学問的には「物(モノ)貨幣」といいます。

時代が進むうちに、交換相手や交換したいモノが遠くにも存在するようになります。

そう なると、「物貨幣」では持ち運びに不便なうえ、劣化して貴重品ではなくなってしまう恐れも出 てきます。

そこで、変質せずに、広くその価値を認め合うことのできる「金」や「銀」へとお金は変化したのです。

これが「金属貨幣」です。

金属貨幣の時代はたいへん長く続きました。
されていたのです。

とはいえ、金属貨幣と同時に、物貨幣も併用 日本では、江戸時代まで、武士の給料は米で支給されていました。
米がお金としての意味 を持っていたことになります。

しかし実際には、金属貨幣がなければ生活はできません。
台湾・中国などとの密貿易で、 お金を稼いでいた薩摩藩が明治維新を引っ張ることになったのも、経済の土台が変化した象 徴だったのです。

金が好きな民族として、中国人やアラブ人などがよく知られていますが、それには 理由があります。

金は金属貨幣として世界中で使われていたので、価値に普遍性がありました。
政権や国家そのものが何度も変わってしまうような地理的、歴史的背景を持つ人々は、国家が永遠に続くという感覚はありません。
国家が、異民族の侵入などによって倒されれば、 それまでのお金は無価値になってしまいます。

戦火を紛れて着の身着のまま、遠くのまったく異文化の地へ逃げねばならないというようなことも多々ありました。
逃げのびた場所でも受け取ってもらえる、もしくはその場所のお金と交換してもらえるモノを身に付けている必要があったのです。

金を保有するというのは、先人より伝えられた生き延びるための知恵といえます。

金属貨幣は、そのときどきの権力者がつくっていました。
貴金属100%で貨幣をつくってしまうと、流通させる量が足りなくなってしまいます。

そこで、貴金属に他の物質を混ぜて、権力者の名前をつけるなどして、権威を持たせてお金を発行していました。
江戸時代までの日本は、中国、オランダとしか貿易していませんでした。
中国を中心にしたアジァ地域では、銀貨がお金として多く使われていたので、銀が割高になっていたのです。

そこで欧米人は、日本で銀を売りさばき、金を安く大量に仕入れて、本国に持ち帰 りました。
本国で金を売却するだけで、彼らは大もうけができたのです。

江戸時代末期、ペリーが日本に黒船で来航して以後、鎖国を続けられなくなった日本には、多くの外国人が一獲千金を求めてやって来ました。
そのとき、大量に金が海外に流出してしまいます。

そのことに気がついた江戸幕府は、通貨の改鋳をおこないます。

しかしときすでに遅しで、 明治期まで尾を引く経済混乱をもたらしたといわれています。

このように価値の差は、昔からお金が動く大きな理由になります。

価値の差に鈍感であるために大きなツケを払わされるということは、今でもしばしば起っていることです。

15世紀にはじまった大航海時代を経て、ヨーロッパ各国は積極的に海外へ進出し、経済的な交流はさらに進みます。

産業革命を経て、国の経済力が増すと、国家の信用力を背景にした「銀行券」というものがお金として登場してきます。

物質的には、紙切れ(11紙幣)にすぎないものです。

これを、「信用通貨」といいます。

お金が物質による価値の裏づけから開放されたことで、経済は大きく飛躍しました。
ただ し最初は、金を裏づけにした銀行券でした。
完全に物質から開放されたのは、1971年以降になります。

現在では、紙切れすらも存在せず、数字上だけで管理されるバーチャルなお金へと進化しています。

「信用通貨」と呼ばれる現代のお金は、国家の信用力だけが裏づけになっています。

裏を返せば、人が国家を信用し打く打れば、お金にはまったく価値がなくなってしまうということなのです。

お金はどのようにつくられていくのでしょう。
現代のお金は、各国の中央銀行が発行する銀行券です。

日本の場合、中央銀行にあた るのが日本銀行(日銀)です。

中央銀行は、政府の保証のもとにお金を発行します。

中央銀行は、国の信用力を背景にし てお金をつくり、世の中に流すための管理責任者です。

また「政府の銀行」として、税収など国のお金の出し入れをします。

そして「銀行の銀行」 として、民間銀行全体の調整を行います。

しかし、お金をつくると言っても、国がほしいだけ発行するわけではありません。
経済活 動が円滑になる量のお金をつくっているのです。

では経済活動が円滑になるお金とは、どのくらいなのでしょうか。
基本的にはGDPの規模に合わせて、中央銀行が決めていきます。

GDPとは、国でつくりだされるすべてのモノやサービスに値段をつけて、 足したものです。

「国内総生産」といいます。

それをすべて 今の日本政府は、空前の借金を抱えています。

だからといって、どんどんお金をつくればいいというものではありません。
経済規模を無視して、どんどんお金をつくったら、お金の分量と経済活動の分量が合わなくなってしまいます。

子供が大人の服を着ているようなものです。

経済とお金は一体なので、サイズが合わない まま無理やり歩こうとしても、スカートのすそを踏んでしまったり、そでが邪魔で物をつか めなくなってしまいます。

経済規模に比べてお金が多くなると、お金の価値が大幅に減り、国民は大変苦しむことになります。

中央銀行が、政府から独立した機関となっているのはこのためです。

第二次世界大戦までは、お金を管理するシステムや、経済の破綻が戦争の原因となること もよくありました。
しかし今は、行き詰まりをチャラにするために戦争をするのは賢明ではないということで 世界中の利害は一致しています。

現在のように多くの国に核兵器がある状態では、世界全体が消滅してしまうからです。

日本は、第二次大戦の焼け野原から、奇跡の経済成長をした国だと賞賛されています。

敗戦で国富の大半を失った国が、どうやってお金持ち国家といわれるようになったのでしようか。
戦後復興といっても、まずは経済活動をおこなうためのお金が必要になります。

最初は、米国などからお金を借入れました。
そして、そのお金を増やしていったわけです。

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